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海外に相続人がいた事例② Sozokuzeishinkoku

Sozokuzeishinkoku

海外に相続人がいた事例②

前提条件

・被相続人:父(熊本市)
・相続人:長男(熊本市)(ご相談者様)、二男(熊本市)、長女(米国)

ご相談内容

・長男様(ご相談者様)、二男様(ご相談者様)よりお父様の相続税申告のご依頼がありました。
長男様より「父が亡くなりました。父の相続財産には、自宅がある土地、自宅の家屋、預金、上場株式、投資信託、国債、生命保険金がありました。また、父は生前に遺言書を書いていたようで、自宅がある土地、自宅の家屋、預金の一部を長女に、長男の私と二男には預金、上場株式、国債を相続するように記載されていました。長女は現在米国におりますが、渡米前は熊本市に住んでおり、また、長男の私と二男は持ち家があったことから、おそらくその当時に書いた遺言書ではないかと思われます。長女が自宅を相続すると不便であることが想定されますので、できれば自宅は私が相続したいと思っております。
前回ご相談した際に、遺言書どおりに相続するのではなく、遺産分割協議を実施して進めることが決定しましたが、もし遺言書どおりに長女が相続した場合、相続税が安くなる土地の小規模宅地等の特例は適用できますでしょうか。また、今回決定したとおり遺産分割協議を実施して、遺言書どおりにしなかった場合には(持ち家のある私が相続する場合には)いかがでしょうか。」

当事務所のご対応

お父様のご自宅の敷地(居住の用に供されていた宅地等、特定居住用宅地等といいます)について、小規模宅地等の特例の適用を受けることができれば、330㎡まで80%減額することができますので、非常に大きな節税効果があります。そのため、小規模宅地等の特例の適用を受けることができるかどうかの判断は非常に重要です。

ご自宅の敷地で小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等)の適用を受ける場合、取得者ごとに、要件が異なります。
取得者は、①配偶者か、②お父様と同居していた親族か、③それ以外の親族に分けられます。

今回のお父様の遺言書に従って、米国に居住する長女様が相続する場合には、③それ以外の親族に該当するかどうかの判定をすることとなります。
この場合、③それ以外の親族に該当するかどうかは、主に以下の6つの要件を満たす必要があります。
1 居住制限納税義務者または非居住制限納税義務者のうち日本国籍を有しない者ではないこと。
2 被相続人に配偶者がいないこと
3 相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋に居住していた被相続人の相続人(相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合の相続人)がいないこと
4 相続開始前3年以内に日本国内にある取得者、取得者の配偶者、取得者の三親等内の親族または取得者と特別の関係がある一定の法人が所有する家屋(相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋を除きます。)に居住したことがないこと
5 相続開始時に、取得者が居住している家屋を相続開始前のいずれの時においても所有していたことがないこと
6 その宅地等を相続開始時から相続税の申告期限まで有していること

1~3,5,6は問題なく要件を満たすことができますが、長女様は米国に持ち家があられるとのことですので、4の要件を満たせないように思われます。
ただ、法律をきちんと確認すると、下記のように記載されております(租税特別措置法69条の4第3項第2号ロ(1))。
「相続開始前三年以内に相続税法の施行地内にある当該親族、当該親族の配偶者、当該親族の三親等内の親族又は当該親族と特別の関係がある法人として政令で定める法人が所有する家屋(相続開始の直前において当該被相続人の居住の用に供されていた家屋を除く。)に居住したことがないこと。」
すなわち、長女様は米国に持ち家をお持ちですが、「相続税法の施行地内」である日本に持ち家がないため、上記4にも記載があるとおり(「日本国内にある」)、こちらの要件も問題ないものと考えます。

一方で、長男様については、日本に持ち家がありますので、この要件を満たすことができず、特定居住用宅地等については、小規模宅地等の特例を受けることができません。
ただ、結果的に、今後の不動産の管理の観点から、長女様ではなく、長男様がご相続することとなり、その相続税申告をすることとなりました。遺産分割協議をすることになりましたが、皆様が納得する内容となり、円満に相続することができました。

担当税理士のコメント

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