前提条件
・被相続人:父(熊本市)
・相続人:長女(熊本市)(ご相談者様)、長男(大阪)、二女(熊本市)
ご相談内容
・熊本市在住の長女様(ご相談者様)よりお父様の相続税申告のご依頼がありました。
長女様より「父はテナントビルを所有していましたが、以前大きな改修工事等を何度か行っています。ただ、固定資産税評価額には反映されていないのではないかと思います。このような改修工事等について、相続税が発生するのでしょうか?また、他にも、未登記の家屋があります。未登記だったとしても、相続税が発生するのでしょうか?」とのご相談がありました。
当事務所の対応
まず、未登記部分であっても、相続税の対象になります。
登記の有無ではなく、実際に存在する建物・設備かどうかで、相続税が課税されるかどうかが判断されます。固定資産税評価額が付されている場合には、当該固定資産税評価額に基づいて、相続税評価額を算定します。
お父様の確定申告資料には、不動産所得の減価償却明細に改修工事等の記載があったため、工事の存在は確認することができました。一方で、お父様が所有するテナントビルについて、熊本市役所にて建物の固定資産税評価額の算出過程(過去分)を取得し、建設当初から現在において改修工事等の反映がないことを確認しました。
このような場合、財産評価基本通達に個別の評価方法が規定されていないため、財産評価基本通達5(評価方法の定めのない財産の評価)に基づき、実態に応じた合理的な方法で評価します。
今回は再建築価額に基づいて、以下のように計算しました。
なお、再建築価額に基づいた計算とは、その建物を評価時点で再調達した場合にかかる費用(再建築価額)を算出し、そこから経年劣化による価値減少分を差し引いて評価額を求める方法です。
相続税評価額=(再建築価額-償却費相当額)×0.7×賃貸割合
※再建築価額については、減価償却明細(確定申告資料)の取得価額を採用
※償却相当額については、次の計算式で算定。再建築価額×0.9×その建物の経過年数/その建物の耐用年数
このように算定した固定資産税評価額が反映されていない建物の価額を、本体建物の固定資産税評価額に加算し、テナントビル全体の相続税評価額を確定しました。
固定資産税評価額が反映されていないからといって相続税評価から除外されるわけではなく、実際に存在し、経済的価値を有する部分はすべて相続財産として評価するという考え方です。
今回は、固定資産税評価額が反映されていない改修工事等を含めたテナントビル全体の評価額を申告書に反映し、根拠資料として固定資産税評価額の算出過程や減価償却明細、再建築価額方式の計算明細を添付することで、適正な相続税申告を行うことができました。
評価方法や資料収集には専門的な判断が必要となるため、誤った評価による申告漏れや過大申告を防ぐためにも、早い段階で専門家に相談いただくことが安心につながります。
相続税申告、生前の相続税対策等、相続に関わるあらゆるお悩みに、Growth(グロース)税理士事務所が幅広く対応いたします。
スムーズで円満な相続を目指すなら、どうぞご安心のうえお任せください。
担当税理士のコメント
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